はじめてアンリロの「ニンジンフライ」を口にしたときの感動を、いまでもはっきりと覚えている。
平皿に盛り付けられた、その美しい佇まいに驚きつつ、ニンジンフライを一口頬張ると、サクッと香ばしいころも中から、とろりと濃厚なニンジンの甘さが口中に広がった。そのニンジンの甘さを引き立てる特製のソースも絶妙。くどいようだが、「これが本当にニンジンなのか?」と驚くほど、アンリロのニンジンフライは甘く、おいしいのである。
アンリロは、栃木県鹿沼市にあるフレンチベジタリアンのレストラン。地元野菜のおいしさを最大限に引き出した幸せの一皿を味わうために、遠方からも多くの人がその場所を目指してやってくる。
高校の調理科を卒業後、東京の有名フランス料理店で、デザートや前菜を担当していたシェフの上村真巳さんが、野菜料理の魅力と出会ったのは、働き始めて4年が過ぎたころのことだった。料理人の先輩が働く、益子町のマクロビオティック料理店を訪れたとき、そこでいただいた野菜料理に、新鮮な衝撃を受けたという。
「肉や魚、卵、乳製品などを使わないその料理は、フランス料理とは真逆のものでした。けれど、野菜の味わいが濃厚で、ほんとうにおいしい。なぜこんな料理がつくれるのか? 野菜本来のおいしさを引き出す料理に、強く惹かれていったのです」
その日から1年ほどが過ぎたとき、上村さんは、そのマクロビオティック料理店の厨房に立っていた。そこで5年間、野菜料理を学んだ後、2005年10月に、鹿沼の地にアンリロをオープンした。
アンリロとは、「一粒の米、一滴の水」を意味している。上村さんは、地元の野菜の持ち味を生かすため、料理には、葉も根も皮もすべて大切に使う。フレンチの技法も駆使しながら、見た目にも美しく、食べてもおいしい、そんな心も身体も元気になれる料理を届けたいと、上村さんは今日も願い厨房に立つ。
今回、上村さんは、名物料理「ニンジンフライ」にくわえて、トマトの濃厚な味わいを引き出したソースが自慢の生パスタを用意してくれています(上の写真は「フレッシュトマトの大葉風味パスタ」)。素敵なアーティストたちが紡ぎ出す音楽に身をゆだねながら、アンリロのおいしい野菜料理を味わう。そんな至福なひとときが堪能できるなんて、カフェフェスはやっぱり、贅沢すぎます!
*アンリロの上村真巳さんに聞きました。
Q1 貴店の紹介を、カフェフェスのお客さまに向けてお願いします!
栃木県鹿沼市にあるフレンチベジタリアンのお店「アンリロ」です。カフェフェス当日は、ニンジンフライ片手に、音楽を楽しみましょう!!
Q2 カフェフェスではどんなメニューを販売して下さるのでしょうか?
フランスのマルシェ(市場)のような屋台で、濃厚なトマトソースの生パスタと、名物ニンジンフライを販売します。
Q3 カフェフェスをどんな風に楽しみたいですか?
素敵な音楽に耳を傾けながら鼻歌交じりでパスタをふりふり! 気分はイタリアかしら?
アンリロ
栃木県鹿沼市上材木町1684
tel. 0289-62-0772