大きく息を吸い込んで、ふーっと吐き出す。そんな光景が似合うカフェ。
長崎県の大村市にあるそのカフェに向かうため、私たちは博多から長距離バスに乗り込んだ。およそ2時間ほどで近くのバス停に到着、そこではじめて、店主の霜川剛さんと出会った。温かく出迎えてくれた笑顔と気軽にはなしかけてくる様子に、緊張などみじんも起きない。これが、waranaya cafeの空気感とつながっているのだと思う。
はじめての人は、そこに1人でたどり着くのは困難かもしれない。目指すは、大きなメタセコイヤの木。その隣に古くから残る農家の納屋があり、そこがwaranaya cafeだ。まるで親戚の田舎の家を訪ねてきたようななつかしい空間。庭では木々が生い茂り、馬のサトコやヤギのタンジーが出迎える。ここでは、すべての生き物が共存している。
自分たちで改装したという大きな納屋に入ると、夏でも空気がひんやりとしていて、薄暗い店内に、窓から光が差し込んでいる。大きな何かに包まれているような落ち着きを感じた。
できるだけ自身の野菜や地元の野菜を使っているという料理はとてもおいしく、とくにヨーグルトチキンのピザは、インド人の旦那さんをもつおばあちゃんから教えてもらったという特別なレシピで作られている。ヨーグルトチキンカレーに桃のコンポート入りアイスティ。お昼をいただきながら、時間を忘れるほどゆっくりと過ごしてしまう。
「農業をやりたかった」というオーナーの霜川さんは、敷地内にある畑で仲間たちと小麦を育て始めた。虫が付きにくく、使用頻度の高い小麦の可能性に期待を膨らませている。店で提供するピザはこの小麦を使用している。
ときどきふと、またあの光の射す席にすわり、外を眺め、ときどき散歩をしながら過ごしたいと思うことがある。カフェフェスでも、遠く長崎からやってくるwaranaya cafeの、おおらかな空気に触れていただきたいと思う。
waranaya cafeの霜川さんからメッセージが届いています。
撮影●酒井咲帆(スチール、ムービーとも)
waranaya cafe はこの秋で5周年を迎えます。それを記念して、今回の私と一緒にここを訪ね、写真撮影をしてくれた福岡在住の写真家・albus写真ラボの酒井咲帆さんによる「青空写真館」が行われるそうです。ご近所の方、ぜひ思い出の一枚をいかがですか?
*waranaya cafeの霜川剛さんに聞きました。
Q1 貴店の紹介を、カフェフェスのお客さまに向けてお願いします!WARANAYACafeは日本の西の端っこ、長崎県の大村市にあります。約3000坪の敷地内で、こむぎ畑、キッチンガーデン、ビオトープ池や雑木林などなど、自然と里山的な風景の中にある古い廃屋の納屋を自分達でコツコツ改装し、カフェにしました。優秀なスタッフ陣もお出迎えいたします。26頭しかいない対州馬のサトコ、毎年コヤギを産むヤギのタンジー、ハンターネコのおかかちゃん、バセットハウンドのナナ、御座敷犬のチベなどなど。ここではみんな自分達の役割があり、全てのモノが無駄なく循環して、一つのコミュニティーを作っています。草刈り作業中のサトコにコヤギちゃんが乗っかる光景もしばしば(笑)
自家製のお野菜とこむぎから、キッチンでは美味しいパスタやピッツァに大変身。オーガニックコーヒーとボルネオ島のジャングルの奥地から買い付けた幻の紅茶、SABAHティーも身体をあっためてくれます。
今回この素晴らしいフェスティバルで皆様にお会い出来る事を楽しみにしております。というか一番楽しみなのは私達自身かも(笑) 会場でどんな出会いがあり、どんな音楽が聴けるのか。本当に楽しみです。
Q2 カフェフェスではどんなメニューを販売して下さるのでしょうか。自家製こむぎで焼いてもらった「ゆっか屋さん」の薪がまパンにWARANAYA特製、吉井リバーワイルドで育った健康な豚肉のラグーソースをサンドしてお出しいたします! ドリンクはボルネオ島のジャングル奥地の幻の完全有機無農薬のお紅茶、SABAHティーを。
Q3 カフェフェスをどんな風に楽しみたいですか?いつもそうですが、楽しむことにかけては右に出るもの無し!と言われているので、会場中をうろうろしていると思います(笑) 素敵な出会いを楽しみにしております。
waranaya cafe
長崎県大村市東大村1丁目1880-72
tel. 0957-50-2276
OPEN 11:00〜19:00
CLOSE 水曜日